2015.05.10
私は、普段の生活の中で、皇室を意識することは、まずありません。
何かの折に「あー、いたなあ、へー、ありがたい」と思うぐらいです。
でも、強く意識することもあって、それは最近では東北の大震災の時でした。
当時、菅直人首相が奮闘されていましたが、その言動に重みは感じられず、日々不安になる中、
陛下のお言葉を聞き、私は安堵できたのです。
歴史や経験に裏打ちされた、一筋の光を見るような、救いや癒しのような。
そのとき私は、天皇という存在の大きさと、ありがたみを感じました。
二千年の歴史をもつ王家に育ち、磨かれた人格。
それは国家が危機に瀕した時、また人々が不安や絶望に陥った時、
民衆に絶対的な安心感をもたらす存在として、いつも居てくださる。
だから私は、日本の未来のためにも、皇室制度は続いてほしいと思っています。
◇
日本が国難を迎えた時に、天皇は鮮やかにその頂点によみがえる。
為政者に裏切られても、最後に頼れる絶対権威の王がいる。
そもそも天皇や皇太子ほど、この日本について真剣に考えている人はいない、と言われます
過去から現在、未来、そして世界での立ち位置まで。専門教育もされるし、自分でも熟考する。
そこに皇室という家系の、永続の根拠があるからでしょう。
もし血統が途切れたら、三種の神器が失われたら。日本人が滅んだら、人々から見放されたら。
そこで神話からの二千年の王家と、日本の伝統的な国体は終焉する。それは皇祖皇宗に対して心底申し訳ない。
凄まじい重責と緊張感です。
だから天皇や皇太子は、常に鋭敏にそれに感応し、平安を祈り続けるのでしょう。
そうして天皇と民衆は、心の深いところで互いを求め、結び合います。
◇
逆に言えば、そうした国難の時以外は、さほど目立たなくて良いような気もします。
普段は、皇居で地道に国事行為をして頂き、折々に祭祀を行って、作物の豊穣と国民の安寧を祈って頂く。
ですから私は、平成の公務漬けスタイルには甚だ疑問があります。
まるで何かの強迫観念か、次男坊のトラブルの代償でしょうか。役人の利権に使われるのを得策としたのか。
もしくは両陛下が、公務の場で大衆から賞賛を受けることでしか、存在価値やエネルギーを得られないとか。
いずれにしても多少の病理を感じます。
次代になったら無駄な公務は減らして、空いた時間で文化的な趣味や研究をしてもらいたい。
昭和がそうだったように、私的な時間を増やし、比較的ゆったりと生活してほしい。
もとより皇族には、国民のような自由や人権がないのだから。
◇
皇位継承についても、早く典範を改正して、安定させてほしいです。でも、あの事件以来、止まったままです。
宮内庁も両陛下も真相を今だ隠しています。どちらも「自分達は正しい」という立場を守りたいからでしょう。
もし明仁さんが、舅として次男一家を贔屓したいなら、「私の次は秋篠宮で」と言ってもらいたいです。
実は公平無私な人ではなかったと露呈しますが、むしろ筋は通ります。
とはいえ悠仁君に何かあればそこで終りです。残る「旧皇族復帰案」も、時代錯誤だと国民から顰蹙を買うでしょう。
だからこそ既に、将来の皇統の安定を考えて、改正案が導き出されていたのです。
それは、皇統の専門家(田中卓氏、高森明勅氏など)も推奨するシンプルな案でした。
皇室典範 第一条 |
皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する |
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↓ |
〃 の改正案 |
皇位は、皇統に属する皇族が、これを継承する |
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国民と同じ一夫一婦制で、神話からの血統と三種の神器を世襲で受け継いでいく。
男女問わず直系長子を次の皇太子とし、早くから帝王教育を進める。
国民も一緒になって、その誕生を喜び、ご成長を見守る。
結局は、10年前の改正案と同じです。男子のいるいないは関係ない。
2005年秋の報告書をもとに、細部を詰めて、再び国会に上程するだけ。
そうしないと、「秋篠宮家による皇位簒奪」という疑念は拭えません。
ですから、あの事件を糧として、国民みなが学び、今度こそ典範改正の実現を後押しする。
その中で、当時それを凍結させた安倍晋三氏も、責任の一端を感じられるでしょう。
これは出来るだけ早くやった方がいいです。若い女性皇族方が減っていく前に。
◇
…こうして今振り返っても、秋篠宮夫婦は本当に余計なことをしてくれた、と思います。
宮内官僚が促したとはいえ、天皇もどこかで止めるべきでした。
政治に無用な混乱を招き、皇室に厄介な分裂の種を撒きました。
なぜ双系主義に見えた明仁天皇が土壇場でたじろいだのか。その理由は不明です。
ただ、こうした事態は、紀子さんが皇室に半ば強引に入った時から、予兆はありました。
昭和帝の喪中に、不自然な婚約会見を開き、礼宮は情けない顔で、紀子さんは満面の笑みでした。
その背景については、当時から噂が広まっていました。
その後、紀子妃は公務によく励んで下さっています。
とはいえ、あの仮面のような笑顔の裏で、本当に幸せなのか、全く分かりません。
あれが彼女の野心によるものだったのかも不明です。紀子様には彼女なりの苦労があるのだろうとしか言えません。
実際、紀子妃も皇室の負の面の被害者だという見方もできるのです。
真相を誰かが話さない限り、あの笑顔の仮面は外すことは出来ないと思います。
◇
私は、天皇陛下にせよ、皇后さまにせよ、皇太子殿下や雅子様にせよ、他の宮家の皇族方にせよ、
もしあの方々が皇室に生まれてこず、または嫁がず、一般人であった方が幸せであったなら、
一国民として申し訳ない気持ちになります。
雅子様がかつて仰いました。「あとで人生を振り返って、皇室に嫁いで良かったと思えるようになれば…」と。
本当にそうなってほしい。でなければ悲しい。であれば、本来その主語は、妃殿下でなく、
「国民が、妃殿下方にそう思って頂けるよう」、みなで暖かくお支えする、ということでもあるべきだと私は思います。
皇室に生まれ、嫁がれた方々に、充実した人生を送って頂くこと、そして自然な笑顔を取り戻してもらうこと、
それが皇室全体、ひいては日本の幸せに繋がるのだと。
◇
私は、今の皇室を見て、高円宮の久子様の笑顔が一番好きです。品格があり華やかです。
花がお好きで、宮家の玄関には色とりどりの花々が飾られていると聞きます。
また、雅子様が時々見せてくださる、菩薩のような暖かい眼差しも好きです。
運動会で愛娘の成長を見て、微笑み、涙されていたのも印象的でした。
いつか皇室の中に、そんな暖かい笑顔が溢れる時は来るでしょうか。
残念ながら、平成の両陛下がいるうちは無理かもしれません。平成の世が進むにつれ、お二人の狭量と自己愛とご精勤のスタイルが、息苦しい空気を作っていきました。
そしてとうとう雅子妃は倒れ、あの事件まで起きました。
それは両陛下が崩御されても終わりません。彼らが責を認めない限り、負の遺産は次代に引き継がれるのです。
今の皇太子夫婦は、それで10年ほどは苦しまれるでしょう。宮内庁の暗部の浄化も必要です。
でも、その困難を乗り越えた時に、きっと皇室の中に、真っ直ぐで自然な笑顔が溢れるのではないか。
私はそこに、未来の皇室への希望を持ちたいですし、
高天原にいる天照大御神さまも、それを見守って下さっている、と思うのです。
2015.05.10
著者:知凡
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